むかしばなし

ケンケンのむかしばなし14 山の食べ物~その弐~

山の食べ物~その弐~

我が家での食べ物の続き。今でもカレー、ラーメン、うどんは大好きである。子供の頃の「ハウスバーモントカレー」は美味しかった。うちではジャガイモ、玉ネギ、ニンジンは自給していたのでいつでもある。野菜ゴロゴロのドロリとしたルーが特徴だった。しかし不安定なのが肉だ。ゴロリとした肉なぞは望むべくもない。バラ肉もない。入っていたのはひき肉だ。見た目は「肉無しカレー」に見える。豚と牛の合いびきというミンチ肉を煮込むと味は良いが形がなくなる。西日本の肉ジャガは牛肉なので街中のカレーもビーフが主流だっただろうが我が家はそうはいかない。たまに親戚の家、友達の家のカレーを食べた時はビーフがしっかり入っていた。肉が間に合わない時は赤いウィンナーが鍋に浮いていた。残念なことにカレーは祖父と父が喜ばない。酒のつまみにならないからだ。

初めて食べたラーメンは袋ラーメンだったと思う。明星チャルメラか?はたまた日清チキンラーメンか。テレビでは日清食品提供の「ちびっこのど自慢」が大人気だった。スポンサーである日清の「出前一丁ラーメン」が出たばかりだった。ある日、父が「ラーメン買ってきたど」と言ったので喜んだらなんと箱買い、30袋入っていただろうか。すごいなあ、と驚いた。兄弟でよくラーメンを食べたものだが、ほぼ具無しの素ラーメン。ある日、母がいなくて父が昼ごはんに袋ラーメンを作ってくれた。青ネギのようなものが沢山のっていた。食べるとまずい、「父ちゃん、これなあに」「そこらに生えちょるニラじゃ。うまかろうが」。ネギも好きではなかったが子供にとって生のニラはもっと苦い。やむなくニラをよけてラーメンだけを食べた。

麺ついでに言えば夏はそうめん、冬はうどんを食べた。そばは記憶に薄い。年末の年越しそばくらいしか食べる機会はなかった。そうめんは冬でも味噌汁に入れたり、今でいう温麺にしたりで食べる事があった。お中元でもらった残りだろうか。子供たちは麺好きで父も外ではよくうどんを食べていた。しかし気が付けば、母はラーメンやうどんを作ってくれるが食べる姿を見たことがなかった。かなり後から知ったが、母は麺類が苦手だった。「ずずっ~と吸うことができん、長い麺は喉がつまるんよ」ということであまり食べなかったそうだ。子供の自分は食べるのにいつも夢中だったので母の告白には驚いた。多分「うまい事すすって食べるね~」と感心していたのだろう。

子供は魚よりもハムやウィンナーが好きなのは今も変わらない。父、祖父に酒の肴を用意していると子供の好きな食べ物はない。さっと安い魚肉ハム、ベビーハムを焼いてくれると嬉しかったものだ。ソースか醤油をかけてごはんのおかずになった。しかし食べ慣れている味というのは恐ろしい。ある日、母が出かけていない時、父が高級ハムを買ってきてくれた。高いハムは旨いはず、子供も喜ぶ、と安易に考えたかどうか。高価なハムを生で食べたが旨くない。「いつものハム(魚肉)の方がおいしい」と父を困らせてしまった。子供は正直だ。

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