この路線名は豊肥本線に比べわかりやすい。同じ九州を東西に横断する本線だが、久留米駅と大分駅を結ぶから久大本線ということだ。久留米市には筑後川、筑紫次郎という大河がある。江戸時代には久留米藩の城下町として栄えたが、幕末に活躍した「からくり儀右衛門」を忘れてはいけない。久留米出身だが晩年は肥前佐賀藩に招かれて蒸気機関車、蒸気船などを作製してその後の文化発展に大いに貢献したという、これには私も驚いた。
日田は大分県。ここは三隈川が流れて水郷の街として知られる。山は優良な木材を出すので舟運が盛んとなり幕府の天領となった歴史ある街である。三隈川下流の筑後川河口には大川家具などの木材産業が盛んになったのは当然だ。日田ではよい温泉もあるし、近年ではミネラル水も好評で「天領水」という商品名で当たった。さすが商売がうまい。日田の近くにある夜明駅は駅名を見て振り返ってしまうほどだ。縁起の良い駅名だと思う。
さて久大本線は本線というだけあって全線は141キロあり、かなり長いので中間の豊後森駅には機関区があった。山越えの難所の多い路線だったが亜幹線ということで本線の主力だったD51型は入れず、最後はD60型、または軽量のC58型あたりが活躍した。SL時代が終わっても機関区跡には扇形車庫と転車台が残っていたのは奇跡であった。鉄道遺産としたものの今後の修復、維持は大変だろう。そこへ福岡市で荒廃していた96型機関車をもってきた。完璧に修復した姿は神々しい。街おこし、祭りのイベントに機関区跡の広場が使われている。きっとキレイになった96型SLはいつまでも元気な姿でいることだろう。
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