筑豊本線は福北ゆたか線になったが若松、直方、折尾、飯塚と、社会人となってから巡ってみた。若松駅はかつて、石炭の集積地、洞海湾、旧八幡製鉄、若戸大橋など、小学校の時に習ったものだ。今も高台からの景色は変わらないが広い駅のヤード、機関区の跡地を行きかう船舶、若戸大橋の車の多さと比べてしまうと、駅周辺は寂しいと感じてしまう。
直方駅では大相撲の立派な魁皇像がある。ここにも大きな機関区があって昔は蒸気機関車が沢山いたが今は電車区があるだけの静かな田舎駅だ。駅の近くの神社と石炭記念館を見学していると栄枯盛衰、時代の移り変わりを目の当たりに出来る。直方駅前には「もち吉」や「千鳥屋」の店舗があって、本家や発祥の地など、餅や菓子の文化も学べる街である。
飯塚まで行くと正に「川筋もん」の本場を感じさせてくれる。大きな筑後川とその橋梁、遠くにはボタ山も見える、荒くれ者が集まっていたことだろう。繁華街には劇場もあるし川沿いの景色は50年、100年前と変わらないだろう。飯塚市内に何度か泊まったが内陸のようでも交通の便が良いので玄界灘の旨い魚を安く食べさせてくれる店が多い。
冷水峠という意味深な地名がある。長崎から飯塚、直方を経て小倉へつながる長崎街道、別名シュガーロードと言われている。インド象やラクダも通った山越え道だ。幕末の有名人も沢山歩いたという。その難所が冷水峠。桂川(けいせん)駅から原田線として筑前内野駅から筑前山家駅の間にある峠である。今は電車が軽く行き来しているが蒸気機関車の時代は急勾配の連続であった。今は昔、宿場町のあった筑前内野は今も良い雰囲気がある。
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