北海道鉄道漫遊記

北海道鉄道漫遊記 4

函館本線を北上中

銀山

函館本線を北上中である。倶知安峠、稲穂峠を越えると銀山駅に着く。C62ニセコ号や国鉄時代もSL撮影の有名地である。然別方面に下って行くと幾つもSカーブがある。6月の新緑、10月の紅葉が素晴らしいのでSL列車撮影には最適。

もちろん、雪景色がSL列車には最高に合うのだが、倶知安あたりは1メートル以上の豪雪地帯。冬季は時刻通りの運行が難しかろうと思う。撮影に行くのに雪国素人には危険がいっぱいである。

然別から仁木、余市あたりは果樹園が多い。りんご、ぶどう畑を主力になだらかな丘はきれいに整備されていて気持ちが良い。国道をそれて「フルーツ街道」と呼ばれる広域農道のドライブは快適だ。アップダウンにカーブ、トンネルと楽しませてくれる。雪道はスリルがあるが、四季を通じてのドライブコースだと思う。私はSL列車撮影の往復にいつも利用している。

名所金五郎山

蘭越-塩谷間に少し坂道がある。名所金五郎山(地主の金五郎さんがSLファンのために撮影地として開放)である。直線の築堤を力行してくるSLを丘の斜面から狙う場所で、C62の名シーンが数多く残っている。ただし、現在のC11のニセコ号は、ここをバック運転で登ってくるので残念である。正向きの営業運転は運行開始年10月の「ブライダル号」のみである。なんとかここで、紅葉や雪景色のSL爆走を撮りたいものだ。

2000.10/14蘭島-塩谷 通称「金五郎山」付近

小樽

塩谷を出ると次は小樽だ。間にオタモイ峠がある。於多萌、という当て字であったかな?アイヌ語らしくて良い響きの語感である。小樽はあまりにも有名な観光名所となって、けっこう成功しているようだ。「運河のある港街」というのは全国版となっている。

かつての栄光とまでは行かないが「寿司のうまい小樽」だけではなくなって、運河まわりは統一的に整備されて良い感じとなった。もう少し年月がたてば新しい建物も古さびてくるので一層雪景色に映えることだろう。小樽ビール、小樽ラーメンもうまい!

鉄道的には小樽駅舎が良い。赤レンガ風を維持してとんがり屋根の時計台…のイメージが残っている。駅から少し離れているが小樽交通記念館も楽しい。手宮機関庫の扇形木造車庫も現存、ターンテーブルも2つ可動中である。一つは小樽築港機関区のものである。

動態SLはアメリカンスタイルで、開拓時代のイメージのようだが、これは少々残念。C12でも動かしてみてはどうだろうか。ここは鉄道好きなら1日遊べるところだろう。手宮線の廃線跡を辿るのも良い。一部は整備されて遊歩道になっていているので次回の訪問時は寄ってみたいと思う。

では、かの有名な小樽築港機関区はどうなったのか?昭和47年当時、C62引退後もD51、9600を中心に37両ものSLが在籍していた。1988年C623の復活当初は扇形車庫も残っていたのだが徐々に撤去されて、1995年当時は簡単な待機線が何本か残るのみであった。

まだ運転所の建物は健在で、C623の仮のネグラを訪れたのはもう7年前か。その後機関区跡はマイカル小樽へと変貌し、何のかけらも残っていない。そのマイカルも昨年、倒産騒ぎとなり、なんと栄枯盛衰、変遷の早いことか!

札幌-小樽間の「SLニッセ号」

冬のSL列車としては物足らないが2000年12月は札幌-小樽間を「SLニッセ号」が走った。これはデンマークの伝統的クリスマスを列車内で再現したもので童話の世界となっている。ニッセとは妖精のことである。好評なので翌2001年12月も運行された。夕方なので撮影は困難だが夜間撮影として小樽駅では可能かもしれない。

しかし今の所、夜間撮影の傑作写真は雑誌に出ていない。小樽駅は発着の多い駅なので良い撮影角度が少ないのかもしれない。しかし数少ない冬のSL列車として今後も定着して欲しいと願う。

00.12/24桑園-琴似 デンマークニッセ号

函館本線も小樽からは日本海を見ながら、崖にへばりつくような線路となって、右に左に曲がる難所である。有名な駅名の銭函を過ぎると北の都、札幌である。一冬に1メートル以上の積雪のある都市で人口100万人以上は世界で札幌市だけらしい。そんな話で次回は「さっぽろ」のお話。

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