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富良野線
美瑛の丘をアップダウン
旭川駅を南に行くのは富良野線である。富良野まで美瑛の丘をアップダウンしながらの沿線風景には誰しもが感動することと思う。特に7月~8月はラベンダーの咲く頃は素晴らしい。
遠くに十勝岳の噴煙も見える。今も秋にはSL「ふらの・びえい」号がトコトコと走っており、景色に似合っている。丘と言っても美瑛から美馬牛あたりまでは結構な勾配となってC11+DE15の奮闘もしばしあるので撮影も楽しい。
紅葉や雪景色の頃にもっと運転されると喜ばしいのだが縮小傾向にある。SL「すずらん」も流行は下火なので運転日は減少。逆に増えたのはSL「函館・大沼」号である。さて今年はどうなるのか?
9600型が活躍
富良野線はかつて、9600型が活躍していた。富良野駅は根室本線の途中駅としての方が重要だったはずだ。滝川からの優等列車、貨物列車がたくさん道東を往復していた頃は賑わったことと思う。
D51貨物、C57の客車急行はこの先の狩勝峠越えに苦労したと聞いている。現在は新線となったし、石勝線(南千歳~新得間)の開通により富良野はすっかりローカル駅になってしまった。
根室本線
幾寅駅
富良野駅を南下すると根室本線である。峠を越えると新得だが、途中に幾寅駅がある。ここは映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地である。空想の駅名「幌舞(ほろまい)」というのはありがちな地名で良い響きだ。去年までは、セットや駅舎はそのままだったが、あまりにも不便な地なので存続は怪しい。なんとか映画のシーンそのままで残ってもらいたいものだと思う。
新得駅
かつての狩勝峠ほどではないが新得までは長い上り勾配で最後はトンネルである。抜けると一気に下って新得駅となる。ここにも、かつては大きな機関区があって峠越え用のD51(1966年当時16両配属)が、ひしめいていたのだ。
ただし今は機関区の名残はかけらもない。駅の近くにナメクジ型D51、狩勝峠に9600型が展示されている程度。しかし駅前の「火夫の像」は一見の価値がある。峠越えの機関士の苦闘を想像する一助となるはず。トンネル内の事故も多数あったようだ。冥福を祈りたい。
新得駅では石勝線経由の特急「スーパーおおぞら」が必ず停車する重要な駅である。新得では、そばが有名で、「新得そば」として売り出している。駅前に大きな店が2軒ある。道内はどこもそばはうまいが、十勝は特に名産らしい。留萌本線沿線もそば畑が多かったのを思い出しながら、根室本線をしばらく南下すると帯広駅だ。
石勝線のおかげで札幌から帯広、釧路がとても近くなったのはよくわかる。開通前は札幌~滝川~富良野~新得~帯広~釧路~根室の経路となる。SL時代は半日がかりの大旅行だったろう。残念ながら現在の特急列車は釧路止まりで根室へは快速列車(ノサップ、はなさき)となる。釧路~根室は花咲線という愛称で呼ばれているのは好ましいが、快速でも片道2時間とはまだまだ遠い。札幌から釧路まで特急で約4時間。根室は6時間以上ということになる。
次回は帯広、釧路のお話。(2003.6/14)