油須原(ゆすばる)とか後藤寺とか意味ありげな地名が印象的である。50年前、さすがの炭鉱の町、筑豊も衰退の一路であった。大正生まれの老雄、96型蒸気機関車がうじゃうじゃと活躍していたが石炭や石灰のピストン輸送に追われて綺麗なカマが少なくなっていた。直方、飯塚、田川と現在の駅や沿線風景を見ると小ぎれいにはなったが活気は感じられない。
筑豊線は福北ゆたか線となり田川線は平成筑豊鉄道になった。細かな支線は廃線となってしまい何が何だかわからなくなってしまった。それでも石炭記念館が田川伊田駅、直方市石炭記念館が直方駅近くにあって、かつての炭鉱の街、の盛況を伝えてくれる。保存されている蒸気機関車もよく整備されている。
田川伊田駅近くの石炭記念館は炭住街、坑道、採掘の様子などが再現、保存されており実に興味深い。日本の産業を支えてきた熱気が伝わってくる。遠くに田川のシンボル香春岳(かわらだけ)も見える。ここは石灰岩の山で今も採掘が続いている。三連の山だったのが一つは山頂から半分くらいの高さとなっている。景観の変化を古写真で見ると愕然とするが歴史とはむごいものだ。ここらは戦国時代、山城のあった遺跡のはずだが…。
スポンサーリンク
スポンサーリンク